” 錬金術は、ともすれば、 

 

近代化学の未熟な前身かあやしげな贋金造りの詐術のようなものと考えられている場合が少なくないがじつはそのどちらでもない。一口にいえば、それは黄金を人工的に作り出すための「哲学」である。”

種村季弘「黒い錬金術」より引用

真の錬金術師とは(錬金術を語った山師もそれはそれで魅力的ではあるが)
ほの暗き工房にただの独りきりでこもり
系譜や秘密結社をもたず
個々人の繰り返しの実験/作業によって
卑しい金属を完全なる金属に変容させようとした人々のことをいう。

第一原質(ニグロ/ウロボロス)からはじまり 結合、腐敗、煆焼、死、洗滌、などの行程を経て輝かしい第五実体を得ようとした。 古今東西の錬金術師同士を繋げるのは伝承ではなく(C・G・ユングにおける)集合的無意識であり、 語られる言葉も寓意的で想像力を掻き立てられる。

魅了してやまない化学の劇場を個人的なフィルターを通してひとつの空間で表現できたなら。
そんな壮大な願いを込めて。